みんなの書評

さんの書評2019/05/23

女性関係と仕事態度が比例するなら、これは仕事論の本でもある。

これはセックスについて書かれた本でも、女性関係と仕事は似ていると考えたことがあるなら、これは仕事論の本でもある。

著者は、最初に読者のセックスを幼稚園レベルだと言い切ってから話を始める。
悔しいけど、読み進めていくと納得できてひどく落ち込む。

P15
"男性本位の、射精だけを目的をした、平均二十分足らずのセックス。
このジャンクセックスとも呼ぶべきお粗末なセックスが、悲しいかな今、日本中に蔓延しています。"

私がこれを読んだ時、利益だけを目的とした表面上のやりとりだけの仕事がジャンクセックスならぬ、ジャンクワークとも言えるのではないかと、私自身、仕事に真面目であろうとする態度すら恥に感じました。

私は仕事とはなんなのか分からなかったので、そこでこの本を読んだ時にパラダイムシフトを実感しました。

ひいては生きる態度すらおかしいのではないかと、考え直すきっかけも同時に与えてくれる本でした。本当にありがたい一冊です。

そう、自分は真面目に生きている、自分は真面目に仕事について考え、行動できていると勘違いしていました。
利益が上がればいい、収入が増えればいい、相手が満足すればそれでいい。

仕事なんてお金を稼ぐ道具であって、チャチャっとやることやって成果が出ればそれでいいと思っていました。
しかし、そんなこと書いていないのに、女性との関わり方の話を読んでいると、仕事に対しての疑問がほどけていく感覚になりながら読み進められました。

お客さんである、相手にサービスや製品だけちゃんとしたものを渡して契約をすれば終わりだと思っていた。
それはいわゆる射精と同義であって、それだけだとジャンクです。

お客さんを喜ばせるだけの相談に乗って納得してもらって、サービスや製品を使ってもらって、喜んでもらいたい。気持ちよくなってもらいたいし、一緒に気持ちよくありたい。
スローセックスの語るところが仕事とも一致するなと深く感じました。

相手がはやく終わることを望んでも、こちらからゆっくりを提案しよう
こちらからゆっくり提案しよう、相手がゆっくりに慣れてなかったらそれにも付き合おう。

何にでも応用できる考えだなと感じました。

著者の理想に美学を感じるからこそ、この本に書かれている知識やノウハウにストーリー性をちゃんと感じ、読み進められる稀な一冊です。
本当にありがたいです。感謝。

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さんの書評2019/05/03

【感想】 中村桂子氏の書評が書名にけちをつけていたのは、編集者の学識に

【感想】 中村桂子氏の書評が書名にけちをつけていたのは、編集者の学識に
 深さを感じなかったということであろう。
 本書で百回も繰り返される「ホメオスタシス」が感情の原初を作ったという説だけを
 紹介しながら、それも評者には意外でもなんでもないと。
  いちゃもんを付ければきりがないが、知性よりも感情に焦点を当てる重要性を訴える点は共感できる。
  これからの30年間にロボットは感情を持つようになる。工業生産用ロボットで金を稼ぐ飽和点は見えてきた。
  事務用AIロボットで人件費削減する方向性は確立しているようだが、雇用削減の抵抗力で当然、限界はあろう。
 介護現場でもとめられるのは単に労力だけでなく、対話を続けることで、認知症患者のQOLを上げる感情生活を
  支えるロボットがもとめられよう。
 知力が中枢神経の電気信号で支えられるのにくらべ、感情は腸内神経も関与するが、ホルモン分泌も重要な役割をはたす。
  従って時間遅れ系の制御システムでシミュレートする必要がある。正しいモデルがそもそも存在しない感情面での調整は難航しそうだ。
  官庁大企業など縦型社会の常套句に「そう感情的になるな!」というのがあって、ほとんどの成人は感情を抑制すべき対象と認識している。
 恋に憧れ、ほとばしる食欲に翻弄されたロマンティックな年代を超えれば、感情を捨てるべきものと認識している人は多い。
  だが、本書を論拠にすれば、感情とは感知力と瞬時の矯正動作だとわかる。抑制して溜めにためた末の暴発しか議論の対象にしないから
 間違った結論になる。
  商店街で2~3歳の童子が泣き喚いていることがある。「ここでは静かにしなさい!」と叱りつける親が多い。感情を抑制する間違いはどこにあるのか?
 溜めにためた結果、暴発するものを抑制するのは愚だ。暴発する原子炉に蓋をしようとする東電社員はいないのが当然だ。
  爆発する前に、童子の行動に現れている不安や甘えに気づいて、タイミング良く抱き上げれば収まるのに、見てない、観察力の無い親が多すぎる。
 泣き癖が付くように育て、愛情不足、不満過多な幼児を育てている。「良い学校、良い会社」が良い人生に必要という縦型社会だけでは、感情の大切さがわからない。
本書の生硬な議論では現在の日本で一般受けしないのが残念だ。しかし数少ない感情支持派の議論だから、貴重な書籍であることは確かであり、
 深く斟酌して、自分なりの解釈を血肉にしておけば一世代の間には身の為になることは疑いない。
 

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さんの書評2019/05/01

はなちゃんがいくらおこしてもね、おきないよ。はなちゃんは、こうおもうよ、

99悠人にとっておとうさんはどんな人だった?叱るときもちゃんとどうしてだめなのか、一緒に座って説明しくれて、僕の話もよく聞いてくれたし。296美涼 私、…この一年くらい好きな人がいたんです。城戸 幸せな男ですね。何をしている人なんですか?美涼もう三勝四負なんて言ってたけど、負けが込んできてるうですよ。城戸 相手には、その気持ちは伝えたんですか?美涼は長まつ毛を水鳥が物音に驚いて飛び立つ時のような忙しさで羽搏かせた。城戸はその素早い瞬きの意味がわからなかったが、300わかったところから、また愛し直すんじゃないですか。一回愛したら終わりじゃなくて、長い時間の間に何度も愛し直すでしょう?いろんなことが起こるから?320自分が原誠として生まれたとして、この人生を城戸章良として譲り受けたとしたなら、どれほど感動しただろうかと想像した。341一人の人間として尊敬しなければ、、、いうべきことは言ったが、注意するという口調はやめ、自分お不満は何かを説明するようにしていた。349悠人 お父さん、、、自分が父親にしてほしかったことを僕にしてたんだと思う、、、里恵 そうね、、でもそれだけじゃなくて、やっぱり悠人が好きだったからよ351その思い出と、そこから続くものだけで、残りの人生はもう十分なのではないか、と感じるほどに、自分にとってもあの3年9ヶ月は幸福だったのだと 里恵は思った。
在日韓国人差別問題の視点などやや難解な部分はありつつも、、、

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さんの書評2019/04/07

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語  田中 修治(著)

破天荒フェニックス オンデーズ再生物語  田中 修治(著)

この本はメガネチェーン店「オンデーズ」の再生を基にしたフィクションである。
失礼ながら、東京に住んでいながらオンデーズは見たこともなく、快進撃が日常生活の裏で起こっていたとは知りませんでした。
その内容はまさに山あり谷あり
軌道に乗れば、すぐに資金ショートが降りかかる。
それももともと創業者が残した負の遺産のため、勝負のためのリソースがいつも困窮してしまう。
もともと会社におけるリソースは「ヒト・モノ・金・情報」と言われるほど事業の根幹をなしている金がどうしても足りない。
しかし、ヒトはある。
あとは人を動かす能力だけで、会社を復活させるその手腕は読んでいて非常に痛快であり、最後にはまんまとこの会社のファンとなる。
しかし、この本の著者田中修治さんはこれが初めての執筆なのだろうか?
話の流れや行間のまとめ方、言葉のチョイスが素晴らしい。
重厚な言葉を並べるよりも本質を考えている。
自分はどのような内容をどのように人に届けたいのか?とことん突き詰めている。
まさに経営者と言うより、人としての能力のが非常に高い文章である。
椅子に座って指示を出す経営者ではなく、人の近くに立ち、その人のサポートを行うことを命題にしているような生き方である。

その部分が一番、滲み出ていると感じた東日本大震災の部分を抜粋する。

オンデーズを買収してからの僕は、メガネをビジネスのための一つの道具としてとらえていた。
お客様に選ばれ、ライバル企業に打ち勝つにはどうしたらいいか?ただそればかりを考えていた。話題性や、ファッション性ばかりに目をやり、他社の追随を許さぬ低価格を実現して事業展開をすればよい。企業を大きくして利益を出せばよい。それが経営者としての一番大切な仕事であって使命だ。そう考えていた。
しかし、この避難所でのボランティア活動を通じて、メガネ屋にとっては、専門家としての技術や知識を用いて、人々の視界を快適にしてあげることが何よりも一番重要なのだと、この時はっきりと気づかされたのだった。
 まさに頭に雷が落ちた。そんな表現がピッタリくるほどの衝撃だった。
 オンデーズがお客様に本当に売らなければいけないのは、安いメガネでもお洒落なメガネでもなく「メガネをかけて見えるようになった素晴らしい世界」だったのだ。
「メガネ屋として知識と技術の向上に対する意識の低さ」
これがオンデーズが抱えてていた問題の、最も大きな本質の一つだったのだろう。

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さんの書評2019/04/071いいね!

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術

1分で話せ 世界のトップが絶賛した大事なことだけシンプルに伝える技術
伊藤 羊一(著)

著者はもともと新卒で日本興業銀行で社内向けに伝える技術を鍛えてきて、ソフトバンクアカデミーに入学を機に、そのままソフトバンクアカデミー学長にまでなった人物で、プレゼンの極意を体現してきた。
その著者の本の内容はまさに1分でまとめられていると言って過言でもない。
タイトル通りである。
ロジカルに話すことも大事だが、結局は「ひとに動いてもらってなんぼ」
自分の仕事においてプレゼンは日常業務であり、ある程度は出来ていると自負しているが、まだまだであると感じたと同時に方向性は間違っていないことが確認できた。

以下、内容で気になった部分を抜粋する。

①1分で話すことの大切さ
1分でまとまらない話は何時間かけても伝わらない。人は話の80%は聞いていない。
忙しい相手と話す場合は、むしろ1分で話したほうが耳を傾けてもらいやすい。
②相手の左脳に訴えかける
ロジカルに話すころで伝わりやすくする。
「結論」「根拠」「事実(実例、応用)」の順番で話す。
このときに意味がつながっているか確認する。
③相手の右脳に訴えかける
相手に話しのイメージを湧かせる。
・写真や動画など、ビジュアルを見せる。
・例えば…と事例を挙げる。
・「想像してみてください」と言って、相手に想像を膨らませる。

③プレゼンや話し合いで使えるテクニック
・「超一言」を使う。
覚えやすく、その一言でプレゼン全体を表現するようなキーワードを使う。
・自分の意見を否定してくる相手に、追い込んでもらう道を用意する。
突っ込みやすい内容を予め混ぜておき、相手に突っ込んでもらう。
そうすることで、相手の意見のおかげで良くなったと満足してもらう。

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さんの書評2019/03/21

東大院生が開発! 頭のいい説明は型で決まる

東大院生が開発! 頭のいい説明は型で決まる
犬塚 壮志(著)

この本の著者は現役の予備校講師をしており、つまりは教えることのプロ中のプロである。
しかし、そんな著者はもともと地頭が良かったために東大大学院を卒業できたのではなく、人一倍努力しなければ他人に劣ることを自覚しており、もともと偏差値は30台であったため、そのおかげでどのようにすれば効率よく学習が進むのかを常日頃から考えていたために「学習学」と言われる分野でトップになったと自認している。
また「教育業界における価値創造ことがこれからの日本を元気にする」をモットーとしており、様々な教育プログラムを提供しており、この本にはそのノウハウが高濃度で凝縮されている。
どんなに一生懸命に身につけた知識やスキルも、相手がわかってくれなかったら、それはないに等しい。とまで訴えています。
なぜなら、個人が情報発信しやすくなったSNS社会では、YouTubeやブログなどでその人の専門分野での発言を、そうでない人に伝える機会がひと昔に比べて圧倒的に増えてきており、自分の専門分野以外の人に、自分の発言をわかりやすく伝えることが求められるからであり、それにより共感する人が増え、世の中がもっともっと楽しくなるはずであると説いている。

この本で紹介されている説明の黄金フォーマットは「IKPOLET(イクポレット)法」としてまとめている。
I:Interest 興味を引く
K:Knowledge 聴き手のもっている知識や認識にアクセスする
P:Purpose 目的を示す
O:Outline 大枠を見せる
L:Link つなげる
E:Embodiment 具体化、事例、証拠を示す
T:Transfer 転移

これは学生時代とは異なりプレゼンを行う機会が非常に多くなっている社会人に共通して意識すべきものであると感じた。
特にプレゼンにおいて導入部分である相手に興味を持ってもらうためには初めの「I:興味を引く」、「K:聴き手の知識や認識にアクセスする」部分が非常に重要であり、それを怠ったプレゼンは悲惨以外に形容しようがない。

最後に、上記を実践して身に着けたものに対してとっておきのテクニックを3つ紹介している。
①バックワード・デザイン:「相手にどうなってもらいたいか?」と言う成果、つまり説明後のゴールから逆算しながらデザインをすることで、価値ある説明は、相手に”学習”と言う名の変化を起こさなければならない。
②メンタルバリア・ブレイク:自分にもできそうと感じてもらうために相手と類似の境遇の人の成功体験を示したり、作業手順を分割したりして、自分で行えるっという意識を芽生えさせる。
③比喩:目的は相手の頭の中に絵を描くこと。例えば擬人化

上記で示した手順を踏み、これらは意識すれば相手は理解を深め、わかってもらえるのだろうか?
前提としてこれらは実践あるのみであり、失敗をして振り返らなければ身につかないことは言うまでもない。

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さんの書評2019/03/05

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム

この本は「イノベーターのジレンマ」のクレイトン M クリステンセンによる著書である。
マーケティングが真に追及すべきことは何なのか?をジョブ理論として提唱している。
これは今までと何が異なるのか?
それは今までのマーケティング(顧客満足)のみを追及するのではなく、顧客がそのプロダクトを雇用する際に、どのような要件(ジョブ)を解消するためにそれにより進化し、何を解雇したのか?を見るべきであるとしている。
つまり、ジョブを雇用した際の状況を俯瞰してライバルを見極めるべきであるとしている。
またジョブを定義する際、気を付けるべき問題が二つあるとしている。
片付けるべきジョブには形容詞や副詞で説明してはならない。
例えば”便利な”は、顧客が競合他社ではなくあなたのプロダクトを選ぶ理由ではあるかもしれないが、ジョブではない。明確に定まった「片付けるべきジョブ」は動詞と名詞で表現できる。「手作業でタイプしたり編集したりしなくてもいいように、本を口述で”書く”必要がある。はジョブであり、「もっと正直にならないといけない」はジョブではなく、目標である。
二つ目は、ジョブには適切な抽象度が必要であるということだ。
同種のプロダクトでしか問題を解決できないのなら、それはジョブではない。
つまり、「350mLペットボトルに入ったチョコレート味の飲み物が欲しい」はジョブではない。
「通勤中、私の目を目覚めさせ、運転に専念させるものが欲しい。更に10時からの会議の間に空腹を感じないものが良い。このジョブにはバナナ、ドーナッツ、コーヒーを雇用することが考えられる」。
このジョブを片付ける候補者はすべて異なる製品カテゴリに属している。このような抽象レベルで表現すべきである。特に抽象度は高い方が良い。

非常にわかりやすく本も章ごとにまとめと投げかけを設定している構成されており、腑に落ちる部分が多数あった。

<ジョブの定義>
・ジョブとは、特定の状況で人あるいは人の集まりが追及する進歩である。
・成功するイノベーションは顧客の成し遂げたい進歩を可能にし、困難を解消し、満たされていない念願を成就する。またそれまでは物足りない解決しかなかったジョブ、あるいは解決策が存在しなかったジョブを片付ける。
・ジョブは機能面だけで捉えることはできない。社会的および感情的側面も重要であり、こちらの方が機能面より強く作用する場合もある。
・ジョブは日々の生活の中で発生するので、その文脈を説明する「状況」が定義の中心に来る。イノベーションを生むのに不可欠な構成要素は、顧客の特性でもプロダクトの属性でも新しいテクノロジーでもトレンドでもなく、「状況」である。
・片付けるべきジョブは、継続し反復するものである。独立したイベントであることはめったにない。

企業は果てしなくデータを蓄積しているものの、どういうアイデアが成功するかを高い精度で予測できるようには体系化されていない。むしろデータは、「この顧客はあの顧客と類似性が高い」「顧客の68%が商品BよりAを好む」といった形式で表現される。だが、こうしたデータは、顧客が「なぜ」ある選択をするのかについては何も教えてくれない。

第一部まとめ
・ジョブ理論はプロダクト/サービスを購入して使用する(雇用する)のは、顧客の生活に生じたジョブを満たすためであるとし、定義は「ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」である。
・顧客のジョブを完全に理解するには、ある特定の状況で顧客が成し遂げ様としている進歩を、機能的、社会的、感情的側面も含めて理解し、さらに顧客が引き換えにしても良いと考えているものを理解しなければならない。
・顧客の片付けるべきジョブを理解するば、顧客に雇用されるための本当の競争が浮かび上がる。これは競争相手より魅力的な解決策を生み出すうえで極めて重要な情報となる。
・本当のジョブを理解していない企業は「一つですべてを満足させる」万能の解決策に惹かれがちで、結局誰も満足させることが出来ない。
・ジョブに基づいて区切ったセグメントにフォーカスする必要がある。このセグメントには、現状では満足な解決策が存在しない「無消費者」も含まれ、彼らのジョブを不満足に片付けるよりは、何も雇用しない方を選ぶ。無消費に眠る好機は企業にとって巨大だ。

第二部まとめ
・ジョブの理解を深める方法はたくさんあり、その中には伝統的な市場調査の手法も含まれる。”ジョブ・ハンティング”の戦略を練ることも有益ではあるが、その際に最も重要なことは、どの技法を使うではなく、どういう質問をするのか、そして答えとして得られた情報をどうつなぎ合わせるかにある。
・ほとんどの企業は、既存の顧客への理解を深めようと大掛かりな市場調査を行うが、ジョブについての重要な知見は、あなたのプロダクトも他社のプロダクトも買っていない無消費者を調査することで得られることも多い。
・ほとんどの企業は、顧客のジョブの機能面ばかりに重点を置いているが、感情的および社会的側面の発見にも同等の注意を向けるべきだ。3つの側面全てに対処することが、ジョブを踏まえた解決策には不可欠
・顧客の行動について集めたデータは客観的に見えても実は偏っていることが多い。データは特にビック・ハイアだけを重視し、リトル・ハイアが顧客のジョブをプロダクトが解決したことを意味する場合もあるが、本当に解決したかどうかはリトル・ハイアが一貫して繰り返されることによってしか確認できない。
・顧客が新しいプロダクトを雇用する前に、それと引き換えに何を解雇する必要があるかを理解すること。何かを雇用した裏で何を解雇されたのかを十分考察する必要がある。
・顧客の状況や、悪戦苦闘の時間、不完全な体験、それらに伴うストレスを詳細に記述した一種のストーリーボードを描くことによって、ジョブの理解を深めることが出来る。
・ストーリーボードでは、新しい解決策を推進する力を把握しておくことが重要である。この力には満足していないジョブを押す力と新しい解決策を引き付ける力の二つがある。
・変化に対抗する力が強くても、それを緩和するような体験を用意することが出来る。新しいものへの移行に不安があるのなら、それを最小化する体験を付随させればいい。
・ジョブのディティールはジョブスペックとして把握する。これには顧客が求める進歩を機能的、感情的、社会的側面から記述したものや、受け入れられるトレードオフ、打ち負かすべき競争相手や、克服すべき顧客の障害物などが含まれる。ジョブスペックはジョブの深い奥行きと複雑さを実行可能なイノベーションの指針に変換する際の青写真となる。

第三部まとめ
・顧客のジョブへのフォーカスをそらす最も影響が大きいのは、マネージャーがデータの3つの誤謬に陥りやすいことだ。
能動的データと受動的データの誤謬ー規模を拡大中の企業は、ジョブの奥深い複雑さを特徴づけるデータ(受動的データ)を重要視しつづける代わりに、業務に関係したデータ(能動的データ)を生成し始め、その見かけ上の客観性と精緻さに誘惑されやすい。これにより、企業は片付けるべきジョブより、プロダクトや顧客特性を中心にした組織に変貌してしまう。
見かけ上の成長の誤謬ー企業が大きな投資を行う時、顧客に売るプロダクトの数を増やしたり、解決するジョブの種類を広げたりして、成長を勢いづけようとしがちだ。これを「見かけ上の成長」と呼び、これは中核のジョブを丁寧に解決していく状態とは正反対に位置する。
各章データの誤謬ー既存ビジネスモデルにあうようなデータをマネージャーが生成しようとする。

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さんの書評2019/02/232いいね!

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること

未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること

今後の日本が確実に直面する”少子高齢化社会”
それに対して身の回りに具体的に起こる事象をまとめてあり、それぞれがどのように生活に影響していくのか?を掘り下げた内容になっている。
前回の著書を読んでいないが、なかなか面白い内容ではあった。
しかし、これらの内容は現状のテクノロジーの延長に沿った内容であり、実際にその現象に直面した際に起こるであろう変化に対する強力な圧力は見越していない。
そのためどの程度、真正面から受け止めるべきかは未知数であろう。
ただこの本にも書かれていたが、確実に日本の競争力は低下し、先進国ではなくなる可能性は高い。
2050年にはG7に日本は参加できなくなっており、その代わり中国、ロシア、インドなど資源大国、人口ボーナスがある国により世界は先導されているはずである。
その時に自分が出来ることとを今から考えなくてはならず、この本では以下のようにまとめている。

【個人で出来ること】
①働けるうちは働く
②一人で二つ以上の仕事をこなす
③家の中をコンパクト化する
【女性が出来ること】
④ライフプランを描く
⑤年金受給開始年齢を繰り下げ、起業する。
【企業が出来ること】
⑥全国転勤をなくす
⑦テレワークを拡大する
【地域が出来ること】
⑧商店街は時折開く

このように結んではいるが、④、⑤は女性だけではないだろうし、企業が出来ることとしての全国転勤をなくすやテレワーク拡大、商店街の開店日時の削減は人口減少の圧力により、自然とそうならざるを得ず、提言とするには少し違和感を覚える。
個人的には国が行う施策は、遅きに逸するはずであるので個人や企業で対応することがメインとなるだろう。
インフラですら個人で確保するなど、分散自立型の社会へと変容すると思う。
そのために自分がすべきことは、変化を敏感に対応すべく知識や経験を磨くことに尽き、国内だけでなく世界を見据えなければいけないと思う。
特効薬などはあるわけはないので、努力を怠らないこと。そして、それを成果に確実に結びつけることを実行していかなければならないと考える。

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さんの書評2019/02/031いいね!

世界を変えた14の密約

世界を変えた14の密約

全ては目的があったわけではなく、あくまで目標が結果的に求めていた世界に当てはまり、世界がそのように偏移していっただけではある。
しかし、その目標がなぜ立てられたのか?インタビューを中心にその物語をほどいていく。全14章
但し、この物語は現在進行のものも含まれるが惜しいかな、全ては欧米中心で話は進んでいく。意図的かどうかは不明だが
そのため少々、ものの捉え方にある種の思想が滲み出ている。
ノヴァル・ハラル氏の「サピエンス全史」を読んだ後ではその視座の違いが如実に感じられたのが、残念である。
一方、その幅広い情報網や直接のインタビューによる核心に迫る内容は重みを感じる。

#risk 第2章 小麦の空売りとアラブの春
2010年アラブの春はtwitter革命、facebook革命を言われているが、物事のスタートは主食のパンに使用される小麦が世界的に高騰し、入手できないことで革命が起こされただけで決して、情報革命がもたらしたものではない。
一方、その小麦の高騰の原因は空売りは穀物メジャーと言われるABCD(ADM、バンジ、カーギル、ドレフィス)が世界の小麦の9割支配している。
それは15種の作物が全世界で摂取される食物エネルギーの90%を支え、うち米・トウモロコシ・小麦だけで世界人口の3分の2に当たる40億人の主食を占めることを考えるとこれは大きな問題となる。
つまり、ABCDが地球の人口を食べさせ、食料の価格を決めている。
アフリカのサブサハラ(サハラ砂漠より南の地域)は、地球上でもっとも食料不足が深刻な地域で人口に対して必要な食糧と、食料輸入量との乖離が、どの地域よりも大きい。
食料の5割が輸入で賄わられ、35%が小麦である。
しかし、2005年ABCDは危機に瀕した。小麦の収穫が予想できず2005年の利益が下がった。
そこで、ABCDは国際市場で穀物の供給不足に賭けた。
供給過多となった場合でも、価格を不当に高くしいずれにしても設けられる体制にした。
つまり、世界中で小麦の空売りを行った。
ナイル川からチグリス・ユーフラテス川流域は肥沃な三日月地帯と言われ、ひよこ豆、小麦、
オリーブなどの発祥の土地であるが、ここは世界最貧地域である。
1980年代にIMFと世界銀行は地域の穀物生産に投資するより、農耕を減らして欧米への果物の輸出を奨励する政策を打ち出し、この地域は小麦を輸入し始めた。
2006年から2007年にかけては豊作で、理論的には価格が下がるはずだったのに、ABCDは逆のことをした。
そのため小麦の価格は高騰し、アラブ諸国は食料価格を抑制し、補助金を増やす政策を打ち出したが、輸入業者や製造業者の儲けが大きく増え、民衆への還元は少なかった。
それに対してオバマ大統領はABCDのふるまいを「非人道的」だと名指し、その影響力を弱める法案を通そうとしたが失敗に終わった。
そのため、イスラム国が食料不足から民衆を開放した結果となった。
その原因を作ったのは『空売り』であり、それは将来価値を証券化することが大きな焦点である。
それはすべての価値(リスクを含む)を賭けの対象にしたために起こった。

#drugs 第6章 国民全員を薬漬けにする
保険会社が保険を売るために、医学的な根拠に欠ける数値を基に新しい基準を作ったことにより、薬が売れるようになった。
これはその嘘を暴く側であった大学などの研究室に補助金を注ぎ込むことを可能にした結果、起こった事例である。もともとは禁止されていたことであったが、国は不景気を理由に補助金の削減を決めた。
そのため製薬会社と研究施設の思惑が一致し、その問題が解消されたのだ。
これらは現在でも日常的に見られる。
ビタミン不足を訴え、睡眠不足を訴える。情動不安であればADHD。コレステロールが高ければ高脂血症薬に高血圧には高血圧薬
全ては病人のためではなく、未病の状態。つまり、予備軍に入れさえすれば需要は伸び、利益も増える。
最近であれば男性の更年期障害である。
全てに病名を当てはめることにより、その症状を定義づけでき対象方法が考えられる。

#now 第14章 21世紀のインフラストラクチャー
企業や個人や都市がやがて来るテクノロジー革命を生き延びるために必要なのは一つのことだ。
順応性
順応を妨げるのはモノだけではない。考え方もだ。
敵はロボットでもテクノロジー企業でも移民でも中国でもなく、自己満足と、安定しているので変わる必要がないという考え方か、若しくはどう変わっていいかわからないので変われないという感覚だ。

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さんの書評2019/01/132いいね!

Learn Better ―頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップー

Learn Better――頭の使い方が変わり、学びが深まる6つのステップ
アーリック・ボーザー(著) 月谷真紀(翻訳)

「学習を科学する」ことを銘打った本である。
学習は既に長い間、取り組んではいるが”学習”自体を科学的に評価したことはほとんどなかった。
それこそこの本に記載されている「昔からそうだったし、その方法で成績を上げてきたので疑問を持つ必要がなかった」
つまり、思考停止になっていたのだ。
その点について、学びが多い本であった。素晴らしい。
この本では学習を以下の通り体系的に分類し、それぞれに必要な手順を示している。
①価値を見出す (Value) :学びたいと思わなければ学ぶことはできない。学習とはすなわち対象の意味を知ることである。
②目標を設定する (Target) :知識を習得する初期の段階においては、集中が重要だ。目的を目標を設定しなければならない。
③能力を伸ばす (Develop) :スキルを磨き、パフォーマンスを向上させることに特化した手段が必要
④発展させる (Extend) :基本から踏み出して、知識を応用したい。より意味のある形の理解を形成
⑤関係づける (Relate):個別の事実や手順だけを知りたいのではなく、その事実や手順が他の事実や手順とどうかかわりあうかを知りたいのだ。
⑥再考する (Rethink) :自分の知識を見直し、自分の理解を振り返って、自分の学習したことから学ぶ必要がある。

脳は情報を「オフロード」する、つまり自身の神経褶とは別の場所にほ損じて負荷を軽くすることが良くあり。これに関して、スマホなどが一種の「補助脳」となっているというのだ。例えば、美術館で見た絵画は写真に撮ると記憶に残りにくい。脳は画像をデジタル端末にほzんしたと考えるらしい。事実情報が持っていた価値の大変が失われてたということだ。中身そのものは、かつてほど重要ではなくなった。今大事なのはデータそのものではなく、そのデータを使っていかに思考の質を上げられるかだ。もっと厳密にいうなら、新しいスキルを如何に効果的に習得するか。複雑な問題をどうすればもっとよく理解できるか。

学びたい対象を自分と一層関連性の深いものにするということで習得したいスキルに意味を(モチベーション)を見出す手段が必要である。視点を転換することにより対応することが出来る。
自分に次のような問いかけをする。この学ぶ対象は私にとってどう価値があるのか?どうすればもっと自分に関連性があるようにできるか?この知識を自分の生活にどう利用できるか?

自分で自分に問題を出したり、自分い説明してみたりするような、能動的な学習活動が最も効果が高い。
頻繁にクイズ式の質問に答えるよう呼びかけるなど

自分の情動を自覚したら、それを管理数r手段が取れる。ある感中にラベル付けしたら、その感情について思考を巡らせられるようになる。このような情動への対処にはしばしば自分への励ましが求められる。
その際、自分への語り掛けには二人称の「あなた」の方が一人称の「私」より効果があることが研究で証明されている。

つながりを作るために「なぜ」を問う質問をたくさんしよう。学ぶ対象を五感でしっかりつかみ、その複雑さを味わうために、知識は必ず応用しよう。知識を本当に自分のものにするために、人に教えてみよう。また、議論を恐れてはいけない。推論の力を伸ばすことによって学びは更に豊かになる。

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