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さんの書評2014/10/283いいね!

猟師になるのは、さてどうする?

東京から長野県松本に家族で移住したのはいいが、仕事の関係で東京と長野を行ったり来たりしている筆者。 家族は着々と地元に馴染んでいるのに、自分だけ蚊帳の外になってるみたい? ちょっとまて、それじゃまずい! なんのための長野生活か? と一念発起した著者が、せっかくだから長野じゃないと出来ない趣味はどうだろう? それなら猟師とかどうだろう?? という発想のもと、地元新聞に連載されていたエッセイをまとめたものがこの本です。 目的がそもそもそういうことなので、狩猟がなんたるかをまったく何も知らない筆者が、役場の人、警察の人に聞きながら猟師の免許を取るところから始めるという、ある意味ものすごくよく出来たまさにタイトル通りの「猟師になりたい」人のハウツー本として秀逸です。ほんとになりたくなるよ。 (もちろん、そうでない人が読んでも大変おもしろい。そしてジビエ料理に興味が湧いて、食べたくなること間違いなし!) 猟師になるにはどうすればいいの? 試験はいつ受けるの? どんな試験があるの? 銃ってどこで買うの? いつ買うの?免許ってどうやって取るの?…みたいな実務的な内容から、じゃあ猟師の免許は取ったけれど、実際「狩猟」ってどうやるの…?どうすれば猟のスキルをあげられるのか、あげるためにはどうすればいいのか? みたいなところまで、非常に丁寧に、しかも筆者の実体験を織り交ぜて書かれているので、非常にリアルでおもしろく、そしてとてもためになる本でもあります。 中でも狩猟の持つ諸問題についての後半はなかなか凄い展開です。 命を食べることってどういうこと? 害獣被害って実際はどのくらいの被害なの? それを是正するにはどうすれば? という展望まで、うっすらとあぶり出す筆致がとにかくすばらしい。北尾さんの本を読むのは久しぶりですが、圧倒的に読みやすく、洗練された文章になっていて驚きました。 猟師になるに必要な試験や書類、猟師になるのにかかる費用の別項目があるのもすばらしい。 読みながら、そういえば昔、祖父のところに熊捕ってきた人が熊胆と熊の毛皮持ってきたなぁ…という記憶が蘇ってきて、ちょっとびっくりしました。40年前は結構若い人の趣味として普通だったんですよね。

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