みんなの書評

さんの書評2018/01/23

日本のメディカルのことなどはひとことも書かれていません

フランス系のメディカルアロマセラピーについて知りたくて手に取りました。
著者はもと地理の先生で、いまは自前の工場で精油を作ったり、メディカルアロマの研究している人だそうです。
医療系の臨床家ではなさそうで、自身の臨床事例はなし。
精油の効能についてはバルネの本から引いているくらいで、フランスの薬局方に入っている精油の情報などもなく、なんだかなぁという感じです。
「日本のメディカルアロマセラピーはこの一冊ですべてわかる」と表紙にも書いてありますが、これはまったくの???。
日本のことなどはひとことも書かれていません。
本書が出た2004年当時はいざ知らず、いまや日本のメディカルアロマセラピーは世界でいちばん進んでいる、ということです(塩田,ISBN-10: 4140883855)ので、あたらしい情報はそっちにあたってみたいと思います。
それにしてもアロマの人は書名に「バイブル」ってつけるのが好きですねぇ。

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さんの書評2018/01/23

「わたしは毎日あらゆる面でますますよくなっている」 と、朝晩20回唱えるだけ

自律訓練法を調べていて手に取りました。
著者のクーエは1857年生まれの1926年没ということですから日本でいうと幕末から明治。
てっきり昨今はやりの自己啓発本のたぐいだろうと思っていたら、結構な古典です。
当時行われていた催眠誘導による治療を捨て、自己暗示で心身の不調を改善する方法を最初に考案、実践したということで、自律訓練法のルーツとでもいうべき人だということがわかりました。
方法はいたって簡単。
 「わたしは毎日あらゆる面でますますよくなっている」
と、朝晩20回唱えるだけ。
これだけで、心身共に健康を回復することができるとのこと。
時代が時代なので、脳科学や生理学的な根拠は示されていません。
しかしまあ、なんとなくですが、効くんだろうな、と思わせるものはあります。
ひょっとすると、本書のポエムチックな文章と体裁自体が一種の暗示になっているのかもしれません。
自律訓練法ではある程度自律神経系をコントロールできることがわかっていますし、最近血圧も高めなので、本書の暗示が効果あるか、しばらく試してみたいと思います。

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さんの書評2018/01/21

中身はほとんど酵素栄養療法の話

テロメアについて少し興味があって手に取ったが、中身はほとんどハウエル由来の酵素栄養療法の話。
酵素栄養療法自体に反対するつもりはないが、テロメアを修復するのがテロメラーゼという「酵素」である、というその一点だけで酵素栄養療法とテロメアをむすびつけているだけで、酵素栄養療法がテロメラーゼの量を増やす、という証拠はとくに提示されていない。
そもそも「人体が一生のうちに作りだす酵素の量には上限があって使い切ったらそれでおしまい」というハウエルの説もまだ証明はされていなかったと思うんだが・・・
テロメアに限らず活性酸素がDNAを損傷するというのは周知のことで、たばこもストレスも紫外線も放射線もよくないのはみんな知っている。
だからそのDNA損傷を酵素栄養療法が救えるのか、という点がいちばんのポイントなのだが、そこの説明がちゃんとしていないのにストレスを感じる。
また、いっときNHKが取り上げて大流行したガレンテの長寿遺伝子Sir2は実験が間違っていたことがすでに公表されているが、それをそのまま引用しているとか、へんなところもいくつかある。
というようなことを考えていたらストレスが溜まってテロメアが短くなるといけないのでこのへんでやめるが、酵素栄養療法がテロメラーゼを増やしテロメアを伸ばす、という実験結果がでたらぜひまた読んでみたい。

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さんの書評2018/01/19

精油と陰陽五行説の根拠は不明だが、方法は具体的なのでセルフケアには役立つ

中医アロマの根拠が知りたくて、いろいろ手に取った中の一冊。
中医にはもともと漢方薬がセットされて何千年この方使われてきているので、あえてアロマと結びなおす必要はないと思いますが、そこはまあ精油選択の新しいアイディア、新しい物語としては悪くないのかもしれません。
しかし根拠がよくわからない。
イランイランが陰陽では「陰」に、五行では「火」に、五臓では「心」にマッピングされていますが、いつだれが決めたのか、まったく不明です。
著者が長年の研究と経験に基づいて決めた、というならそれでもいいのですが・・・。
陰陽ももちろんですが、五行、五臓へのマッピングが精油選択の根拠になるはずなので、ここが信頼できないと何にもなりません。
五臓については、ガブリエル・モージェイの「スピリットとアロマテラピー」と一致していますが、肝心のモージェイがマッピングの根拠を示していないので、結局はモージェイ流ということになるのでしょうか?
とまあ、精油と陰陽五行説の関連は不明でしたが、本書自体は中医理論の解説はわかりやすく、精油の選択、トリートメントの方法など具体的な方法が書かれているので、セルフケアには参考になると思います。
「信じるも信じないもあなた次第」、ではありますが。

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さんの書評2018/01/19

中医と占星術からのアロマテラピーへのアプローチですが、うーん、中途半端かな・・・

精油にも陰陽があるとかで、根拠が知りたくていろいろ手に取った中の一冊です。
前半三分の一くらいが中医とアロマ、占星術とアロマの関係についての解説、残り三分の二が精油のプロフィールで、ここに陰陽、五臓、四気や支配星、星座、チャクラなどの中医と占星術の項目が掲載されているのが本書のいちばんの特徴です。
残念ながら、陰陽については半分以上が空欄。
ガブリエル・モージェイの「スピリットとアロマテラピー」ともほとんど一致せず、どこから引いた情報なのかはわかりませんでした。
もともと五行説は紀元前200年ごろに中国の陰陽家、騶衍が創始したものなので、陰陽の区別がないのに五行や五臓に精油がマッピングされるのも妙な気がしますが・・・。
中医なら薬草としては漢方が用意されているので、あえて西洋のアロマとくっつける必要もないと思いますが、まあ、そこはアイディアというかあたらしい「物語」の創造なので、別にそこは構いません。
しかし、新しい物語の創造なら、そこには創造者がいるはず。
すくなくとも、占星術のカルペパーのように400年以上も前から伝えられてきた、ということではないので、誰がどういう根拠で各精油を陰陽や五行にマッピングしたのか、それははっきりさせてほしかった。
中医の説明も、占星術の説明も分量が少なく、全体としてあんまり参考にはなりませんでした。
あ、そうそう。
p106に「ジャスミン」は茉莉花だと書いてありますが、茉莉花はJasminum sambacで、本書に記載されているJasminum grandiflorumとは別種の植物です。こういうところがいい加減なのもなんだかな~という感じでした。

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さんの書評2018/01/16

全面的ではないが、共感を覚えた。

全面的ではないが、共感を覚えた。私が独身で、似た状況があるからだろうか。なんだろこのちょっと、肩身の狭い感覚、心の奥で「今のままで何がいけないのか?」という気持ちと、何故か少しさびしいような気持ちと、、、。主人公には、この寂しいという気持ちが描かれていない、というかそうは感じていないようだが。これを読んだ「あちら側」の人に該当する人は、果たしてどんな感想をもったのだろうか?ちょっと興味がある。特に、主人公の妹のような受け止めをする方には、この作品はどのように映るのか?。全く理解できないことなのか?心の奥底に欠片もないのか?と。本当に全く共感できず「ちょっときもい」としか感じない人がいるとすれば、、、、。人は、何らかの社会的役割を持つことで生活している。それは、主に有償ではあるが、無償もある。有償は何らかの契約行為で開始され終了する。無償の場合は、緩やかな結びつきが多いが、それおもほとんど失ったときに人はどうなるのか、そんなことを考えてしまった。

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さんの書評2018/01/15

翻訳のみで解説はなし。素人には歯が立ちません。研究者むき。

英訳から翻訳したもののようで、サンスクリット、英訳、和訳の3つが並べて掲載されています。
そのためもあった分量がすごくて670ページもある。
しかも、翻訳のみで解説がまったくないので、これだけ読んでもアーユルヴェーダの基本的な知識がないとさっぱりわかりません。
ただ、ちまたにゴマンとあるアーユルヴェーダ書籍よりも原典により近いということで、調べたいことがあるときにはいいと思います。
今回は、食べ物のドーシャの特性が本によって違うので、原典に当たってみるのが目的だったのですが・・・
うーん、書いてあるにはあるのですが、現代日本で何の食べ物を指しているのかがよくわからない。
かろうじて、豚肉とか牛肉とか、そういうのはわかりましたが・・・
これを食べるとヴァータを鎮めることができる、というには、日本の風土や食べものにあった読み替えが必要なんだろう、ということはなんとなくわかりました。
どんどんいろんな解釈がでてくる、というのは、古典にはつきものですが。
なお、チャラカ・サンヒターはアーユルヴェーダ最古の古典のひとつですが、成立年代や原本についての文献学的な記述は一切ありませんでした。
本によっては、スシュルタ・サンヒターの方が古い、というものもあって、まあ、これもよくわからない、ということなんでしょう。
とりあえず、原典に触れたので満足です。

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さんの書評2018/01/13

アルガンなど最近、注目されているオイルも含まれていておおいに参考になりました

キャリアオイルについて資料を収集していて手に取りました。
精油のプロフィール集はたくさんあるのですが、まとまったキャリアオイルのプロフィール集はほんとに少ないので、たいへん貴重です。
アルガンや米ぬか、コメ胚芽など最近、注目されているオイルも含まれていて、おおいに参考になりました。
ぼくの知っている限りではもっとも多数のオイル(植物油49種+鉱物油3腫+動物油1種)が掲載されていましたので、参考までに列挙しておきます。
1)アーモンドナッツ油
2) アプリコットカーネル油
3) アボカド油
4) アマニ油
5) アルガン油
6) エゴマ油
ア)オトギリソウ・油溶性
8) オリーフ油
9) オレンジラフィー油
10) カカオ脂(バター)
11) カロット・油溶性
12) カレンドラ・油溶性
13) カ口フィラム(タマヌ)油
14) ククイナッツ油
15) ゴマ油
16) コムギ胚芽油
17) コメヌカ油
18) コメ胚芽油
19) ザクロシード油
20) サザンカ油
21) サフラワー油(ベニバナ)
22) シア脂(バター)
23) 植物性スクアラン
24) スクアラン
25) 大豆油
26) チャ実油
27) 月見草油
28) ツバキ油
29) トウモロコシ油
30) ナタネ油(キャノーラ)
31) パーシック油
32) パーム油
33) パーム核油
34) ハトムギ油
35) ピッポファエ油
36) ヒマシ油
37) ヒマワリ油(サンフラワー)
38) ブドウ種子油
39) へーゼルナッツ油
40) へンプシード油
41)ホホバ油
42) マカダミアナッツ油
43) メドウフォームj由
44) 綿実油
45) モリンガ油
46) ヤシ油
47) ラッカセイ油
48) ローズヒップ油
49) 中鎖脂肪酸
50)ワセリン
51)流動パラフィン
52)パラフィン
53)馬油
以上。

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さんの書評2018/01/12

内容はけっこうハード。プロ、セミプロむけの記述です

ブレンドファクターを定義したのはティスランドだ、といくつかのサイトに書いてあったが、数値が全く異なるので元ネタを確認したくて手に取りました。
前半は自然療法としてのアロマテラピーの歴史的な価値、中盤はアロマを使った感染症や怪我の治療についての知見、後半は治療で用いる8つの精油のプロフィールという仕立てになっていて、内容はわりとハード。
趣味的な感じではなく、プロ、セミプロむけの記述になっていて、それなりに勉強している人が読むと大変参考になります。
アロマテラピーに限らず自然療法にはオカルト的要素が入り込みやすいので、そこは妄信しないように気を付けないといけません。
が、200年足らずの近代医学の歴史では解明できない人体の不思議はたくさんあって、そうした未解明の領域への知見が数千年の歴史を持つ自然療法には含まれているかもしれない。ストレス学説なんかもそのいい例です。
本書のいいところは、そのあたり(科学的証拠と伝統的経験的知見)のバランスをうまく取ろうとしているところなんだと思います。
で、期待していたブレンドファクターについては、残念ながらブの字もありませんでした。
ティスランドの邦訳本は4冊しか探せません。このなかにはブレンドファクターという用語はありませんでした。
ティスランドのスクールに通うと教えてくれるんでしょうか???
ともあれ、1988年の古い本ですが、読み物としてはそれなりに面白く、役にもたったので、本書の評価としては★5にしておきます。
参考までに、取り上げられている精油と疾病について列挙しておきます。
◆疾病:湿疹、乾癬、赤瘡、いぼ、セリュライト、骨折、捻挫、関節炎、脊椎炎、副鼻腔炎、慢性気管支炎、心機能不全、静脈瘤と潰瘍、生理痛、膣分泌物、カンジダ膣炎、更年期障害
◆精油:イランイラン、クラリセージ、サンダルウッド、ティートリー、バラ、ペパーミント、ラベンダー、ローズマリー
以上

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さんの書評2018/01/09

「女性に限って」座り過ぎは寿命を縮める、とすべきかも?

座位時間と総死亡リスクの間にはなにがしかの関連がありそうだ、という疫学的研究が多数紹介されています。
が、なぜ座り過ぎると寿命が縮むのか、そのメカニズムについては不明。
疫学の弱点はどこまでいっても観察しかできないことで、条件を厳密にコントロールできないからほんとうのところ、なにが起きたのかはよくわからない。
アンケートといっても、昨夜何を食べたのかも忘れるような人はたくさんいるわけで、100万人を20年間調べました、といったところでそもそもデータの信頼性が高くはない。
座位行動と寿命にはっきりした医学・生理学的因果関係があるなら、100万人もしらべる必要はありません。
10人調べて結果がでないなら、それは仮説が間違っているということです。
65ページにイギリスで1万人を対象に13年間調査した結果、というのが紹介されていて、これが如実に語っていますが、女性は確かに立位の総死亡リスクが32%低い。
しかし、男性はほとんどかわりません。立っても座っても死亡リスクは同じです。
なので、この調査結果を信じるなら、「女性に限って」座り過ぎは寿命を縮める、とすべきです。
しかも、心血管疾患で死亡した死亡した女性は、立位の方が1.5倍も高い。
なので、もっと正確にいうなら、「心臓や血管が丈夫な女性に限って」座り過ぎは寿命を縮める、となって、どんどん変なことになってしまいます。
結局、なにも説明したことになっていない。事実かどうかもわからない。
とはいえ、ちょこまか動いていたほうが少なくとも筋や腱は固まりにくいので、30分おきに1,2分身体を動かすのは悪いことではありません。
動物としては筋肉が柔らかい方が生存には有利だ、ということも自明ですから、健康法としては「ちょこまか動く」は成り立つんだと思います。
しかし、いまの段階でいえるのはその程度。寿命云々はやっぱり言い過ぎかな、と思います。
全体として健康バズワードっぽい印象は拭えませんでしたが、それなりに勉強にはなりました。

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